Loading...
X

心筋症

心筋細胞の変異によって起こる

心筋症とは、心筋細胞が変質したり大きくなるなどして、心臓壁が薄くなってしまったり、反対に厚くなってしまったりすることで、心臓に異常が起こる病気です。
今のところ、心筋症になるはっきりとした原因は分かっておらず、原因不明な場合がほとんどです。
また、心筋症にはいくつかの種類があります。
拡張型と拘束型、肥大型、不整脈原性右室心筋症、分類不能型です。

拡張型心筋症は、心室や心房に心拡大と収縮機能障害が生じます。
最初の頃は、自覚症状がなく少しの動悸や倦怠感が感じられるだけです。
その為、気が付くのが遅くなることもあります。

病気が進行すると、夜間発作性呼吸困難も見られるようになります。
これは、眠りに落ちて数時間後に起こります。

また、更に進行すると肝臓の腫れやむくみも見られるようになります。
更に、突然死や心不全が起こることもある危険な病気です。
治療は、薬物療法や手術などが行われるのですが、補助人工心臓を用いたり心臓移植を行うこともあります。

拘束型心筋症は、遺伝子の突然変異などで起こります。
左心室が硬くなり、拡張に問題が見られます。
肥大型心筋症は、比較的発症率の高い病気です。
心室壁が厚くなり、心室に血液に入ってくる血液量が不十分になります。

更に進行すると、拡張型心筋症のような状態になることもあります。
症状は、動悸がしたり息切れ、胸痛がしたりします。
また、自覚症状がない場合もあり、中にはある日突然死亡するような場合もあります。
原因は遺伝性のものであり、約7割がそれです。

治療には、β遮断薬やカルシウム拮抗剤などが用いられます。
また、僧帽弁逆流や大動脈弁狭窄が深刻な場合は、手術を行うこともありますし、場合によっては植え込み型除細動器が使用されることもあります。
厚くなった心筋に通ずる冠動脈にエタノールを注入。
部分的にダメージを与えることで狭窄を改善します。

たこつぼ心筋症

また、あまり耳慣れないかもしれませんが、「たこつぼ心筋症」と呼ばれるものもあります。
たこつぼ心筋症とは、精神的、身体的ストレスなどが原因で起こることも多い心筋症で、男性よりも女性に圧倒的に多い病気です。
中でも、閉経後の女性に多く見られます。

この病気は、突然呼吸困難が起こったり胸痛、嘔吐、頭痛などが現れたりします。
それはまるで、狭心症にも似た症状で、震災時にも多く見られる病気です。
日本で発見されました。
この病気の治療は、とにかく病気発症の原因となっているストレスを取り除くことにつきます。

このように、自覚症状が出にくいのが心筋症の怖いところとも言えます。
気になることがあったら、早めに医療機関に足を運ぶことをお勧めします。
早期発見早期治療が何より大事です。