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家族信託のキホンを紹介

家族信託で希望の相続を

自分の財産を誰に委託し、管理を任せるのか、その財産によって生まれる利益を誰に与えるのか等、財産の持ち主が元気なうちに先に決めておくシステムを「家族信託」と言います。
超高齢化社会に突入しつつある日本において、いつ誰が認知症になるかわかりません。

後に残された家族の事を考え、判断能力があるうちに家族信託を決めておくことで、本人の希望する相続と、その管理状況も生前から確認することが可能となります。
家族信託は遺言と同じ役割を果たし、また、自分の死後におけるペットの保護についても決めておくことができますので、様々な案件について柔軟に取り決めができることも大きなメリットと言えるでしょう。

家族信託3つの手続き

家族信託の手続きは3種類あります。
まず、委託人と受託人が内容を決め、契約書を作成して信託契約が締結される方法です。
役所や裁判所で手続きする必要はなく、専門家でなくても行うことができます。
次に、委託人と受託人が同じ場合には「信託宣言」を行います。

自身の財産の信託の取り決めを行い、信託範囲を指定して固有の財産と分けて管理を行います。
全てを個人で行うのは難しい為、専門家へ依頼することが効率的です。

最後に、費用がかかりますが、信託契約を公正証書にする方法です。
実際には、公正証書にする必要性はないのですが、公正証書にすることで、信用性や確実性を高めることができます。

家族信託の注意点

家族信託は、遺言の役目や様々な取り決めを柔軟に行うことができるとして注目を集めていますが、注意点も留意しておく必要があります。
まず、この家族信託には節税効果はありません。

家族信託をした財産はあくまで委託した人のものであり、相続すれば相続税がかかり、贈与すれば贈与税の納税義務が生じます。
あくまで財産管理を目的としているシステムですので、節税対策にはならないということを理解しておきましょう。

さらに、柔軟であるとはいっても、家族信託にも限界があります。
例えば、この制度には身上監護権がない為、本人の代理で老人ホーム介護施設等への入所契約をすることはできなかったり、入院の手続きもすることはできません。
この場合は、家族信託をすると同時に成年後見制度を利用する必要が出てきます。
また、この制度を利用するにあたり、家族信託制度は、まだ認知度が低い為、専門家が少ないという点も知っておきましょう。

家族信託の事例

例えば、障害を持つ息子の両親が、認知症や病気で判断能力を失う前に、夫が自分亡き後財産を妻に託し、その妻が死亡したらその財産が息子に渡るように、またその息子が死亡したら障害者施設へ寄付する、といったように家族信託を利用することができます。
このように、本人が元気なうちに柔軟に決めることができるメリットがあります。